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Interview

土木技術の長い歴史を踏まえながら
これからの時代に向けて
新しい技術を開発していく

株式会社土木管理総合試験所
DKCラボ次長 技術士 井口 達也

井口 達也

入社した経緯について教えてください

地質とコンサルティングという業務内容に魅力を感じた

大学時代に地球科学を専攻しており、地質やコンサルティングの就職先を探していたときに、当社に出会いました。成長段階で、若い社員が多く活躍しており、さらに私自身が長野県出身ということで縁を感じて志望しました。新卒で入社したのは2010年で、今年で13年目になります。最初の配属は神奈川支店でした。それから本社異動となり、非破壊試験部(現・社会基盤マネジメント部)で、非破壊検査一式、電磁波レーダーによる鉄筋探査、目視打音調査、温度応力解析という業務を中心に行いました。その中で、コンクリート診断士や、技術士の資格を取得しました。

インタビュー

現在の業務内容について教えてください

少ない人数でインフラを維持管理するための技術を開発

現在は、DKCラボという、建設インフラ全般の調査点検技術の自動化・省力化を目指した研究開発の部署に所属しています。私の業務は、電磁波レーダーの解析アルゴリズムの開発です。これまで、橋梁の床版の検査は、現地に赴き、ハンマーで叩き、音を確かめ、目視し、スケッチするなど、非常に時間が必要でした。それを、電磁波によって高速でデータを取得し、自動で解析・結果の出力ができるアルゴリズムを開発しています。他にもDKCラボでは、画像の判読からひび割れを自動で解析するアルゴリズムの研究、試験結果をビジュアル化するためのソフトの開発など、これからの少子高齢化社会に向けて、少ない人数でインフラを維持管理するための技術開発を行なっています。

DKCラボのミッション、やりがいとは?

DKCラボには3つのミッションがあります。ひとつは、新技術の創出、2つ目は技術品質の向上、3つ目はコスト削減です。DKCラボは発足から4年目に入りました。サンプル数が増え、ようやく知見が溜まり、事例の比較ができるようになりました。ようやく、解決すべき課題や、新たな可能性に気付く機会が増えてきたのですが、まだまだ開発途上で、お客様からのフィードバックをいただく前の段階なので、やりがいを感じるのはこれからだと思っています。

社内の雰囲気について教えてください

複数のスペシャリストがいること、現場との距離の近さが研究開発のプラスに

DKCラボは、上司や部下といった上下関係に拘らず、自由闊達に意見が交わされています。一方,以前所属していた非破壊試験部(現・社会基盤マネジメント部)では、適切な機器の管理も仕事のひとつで、守るべきルールは遵守するという雰囲気がありました。弊社は業務範囲が広いので、部署や業務内容によっても、部内の雰囲気が少しずつ変わってくるのも面白いところです。

土木管理総合試験所の魅力とは?

総合的にさまざまな分野の試験の専門家がいるという点はひとつの魅力です。ある分野ではわからなかったことも、他部署の社員から新しい知見を得て、解決することができたりと、日々、成長できる環境です。また、弊社は、現場の声を聞きながら技術の開発と改善を続けられることも、大きな強みです。新しい技術を活かすには現場の声が必要です。それを現場でどう使うかによって効果が全く変わります。この環境は、最大限に活用していきたいと思っています。

インタビュー

仕事の面白さについて教えてください

土木の歴史は人類の歩み。過去と未来を見据えた研究開発

現在の業務は新しい技術の開発ですが、技術で社会に貢献するためには、今までの手法も大切に、既存の技術との整合性をとりながら、前進していく必要があります。というのも、建造物の寿命は長いので、新しい技術が使われているものばかりではありません。それに、土木の分野は、新しいから優れていると限らないんです。代表的なものは、古代ローマ帝国時代に使用されたローマン・コンクリートです。ローマのパンテオンは、約2,000年が経過しても強度を保っていますし、日本の小樽港の築堤は100年以上経過してもなお健在です。土木の歴史は人類の文明の歴史でもあります。人間が生活する以上、土木の建築物は必要不可欠です。それを長く使用できるようにするために、我々の技術が応用できたらと考えています。ですから、我々の仕事は、ただ目の前の建造物の調査をするだけでなく、これまでの土木の歴史を考慮しながら、社会全体を考えていくことでもあるのではないかと思っています。

インタビュー

これからの目標は?

個人的には、研究している電磁波レーダーで、安価に、建物の損傷を抜けや漏れがなく検知できるようにすること、省力化、高精度化を進めることが目標です。そして、DKCラボを安定して軌道に乗せること。この部署はまだ4年目ということもあり、社内でも定着していない部分があります。長いスパンで考えると、ソフト面の開発はもちろん、ハード面での開発も進め、さらにそれを使用する人材の育成も必要です。新しい現場の技術を吸収しながら、技術開発を行い、現場に適用しお客様に貢献、さらに社会的な価値に繋がるというサイクルを目指していければと思っています。